「・・・くはぁ、眠い」


このまま帰ろうかな?・・・駄目だ、いい加減来いと言われてしまってこの場に居るんだから。


帰ろうもんならまた泣きつかれるぞ?きっと次は1時間じゃ終わらないな。


容易に想像がつくその光景に諦めがつく。つくが、


「めんどくせーなぁ」


面倒事が嫌いな私はどうしたって気分が乗らない。


この話し方だって直さねーと。


安心するように自分の髪に結び付けられたリボンの端を握りながら辺りを見渡す。


現在HRの最中のため生徒は誰1人出歩いていない。


不良の多い学校だから校舎は汚いとばかり思っていたんだがな。まぁ、あいつがそんなこと許さないか。


以前通っていた高校には劣るものの綺麗な校舎に関心する。


いんや、あの学校が異常なだけか。夏休みの度に改装業者を入れて煌びやかな校舎を保つなんざどれだけのお金がかかることやら。


再び視線を戻すもののまだ担任の話は終わらないらしい。何故HR中に廊下にいるかって?


それは今日から私がこの旭ヶ丘(あさひがおか)高校に転入するからだ。













異例の転入生(・・・・・・)として。