私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「そんな物騒なもの持っちゃって、何する気?」


「だ、誰だし!?」


私の場所を知ろうと必死になる女達。


「上よ上」


私はこの中庭にそびえ立つ1本の木から飛び降りる。


昼寝に最適な場所だったのにもう使えないかな。


「綾波 ましろ!?」


「なんでここにいるのよ!?」


「私だってここの生徒なんだからどこに居ようが関係なくない?むしろあんたの持ってるそれ・・・、スタンガンの方が問題でしょ」


指摘に3人とも顔を青ざめる。


ほんと物騒な世の中だ。


「それで脅して既成事実でも作ろうって魂胆?それさえできれば更に脅してって?性根が腐ってるわー」


女達に引き続き瑠璃川の顔も青ざめていく。これは女嫌いじゃなくてもビビるわ。


「言いがかりよしてよ!?証拠あん「あるわよ」──っ、」


「ちゃんとあるわよ証拠」


証拠証拠。さっきからそればっかり。


ま、何も無いまま口出ししませんけどね。


私はスマホを取り出し再生ボタンを押す。そこには拡大表示でその手にスタンガンが持たれているのと一人一人の顔がくっきりと録画されていた。


「このスマホ壊してもいいけどバックアップ済みだからね」


瑠璃川のなんて比じゃない程汗が流れる女達。その濃い化粧も崩れててホラー映画のようだ。


「ま、舞!どうする!?」


1人がリーダー格に支持を仰ぐ。