むしろ私に向いていると言える。


私の机には花やらカッターの刃。下駄箱には大量の画鋲などもあるが優里は今のところ手紙が入れられる行為のみが行われているようだ。それは何より。


あの日上履き持って帰って正解だったな。


とはいえこれ以上優里が味わう必要も無いことだ。私が自分のものを回収するついでに優里の分も片してしまえばいい。ただそれだけのこと。


そんな訳で授業には出ないもののきちんと登校時間には学校に来て、優里が見つける前にいじめだと思われる物の回収。そして優里とのかくれんぼが終わり次第帰宅。それがここ数日の日課だ。


傍から見れば滑稽だろうか。自分でも面倒な事をしている自覚はある。


それでもほんの数秒でも優里の顔が見れたらそれでいいと思えるんだ。




優里に見つかるまでまた一眠りしようか悩んでいれば複数の足音が近づいて来るのが分かる。


なんだなんだ。ここは中庭だけどほとんどが日陰になってて近づく生徒は少ないはずなのに。


「文くーん。こんな所に呼んで、どういう話?」


「ね!あーしら手紙貰ってからワクワクしてやばかったんだから!」


文くんだー?


甲高い声の中に聞き覚えのある名前が呼ばれる。


声のする方へ視線を辿ればそこには瑠璃川と厚化粧の女子生徒が3人。


・・・どういう状況?