キーン、コーン、カーン、コーン───、


遠くでチャイムが聞こえたかと思えば、それを合図に周りが騒ぎ始める。


「・・・ん」


スマホで時刻を確認すればちょうど昼休みの時間らしい。


あれから数日、授業には出ないものの優里に会いに学校には来ていた。あいつらには会いたくないし優里が私を探すかくれんぼのような事が起きてしまっているが。


あの子本当に可愛いんだよね。私を見つけたかと思えば「あー!!」って大声で目を輝かせながら駆け寄って来るんだよ。


そんな事されたらバレバレな訳で。私は帰るためにその場から離れて悲しげに「あー!!」と叫ぶ優里。


ここ数日優里の「あー!!」しか聞いてないよ。


決して反応を見て楽しんでる訳ではないよ?




学校に来てるのだって他にも理由があるしね。




今日の収穫を確認するために鞄から紙の束を取り出す。


ブス。あの人達に近寄らないで。勘違いするなバカ。


そこには誹謗中傷と捉えられる言葉が書かれていたが、ここ数日変わらない言葉だけが並べており辞書をプレゼントしてやろうか真剣に考え始めている。


余りにも語彙力が乏しいな・・・。


この紙の束というのは私と優里の下駄箱や机に入れられていたものだ。


先日目立った動きをしてしまい優里に向けられるヘイトというのは私にも分散している模様。