私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

昴は俺達の頭脳だ。


副トップも務めながら情報参謀として活躍してくれてる。昴も昴でその点に関しては秀でてて、だからこそショウさんに依頼する機会は少ない訳なんだけど・・・。


昴は負けず嫌いだし意地になってるとこもあるだろうなこりゃ。


「ははっ!可哀想だがそういうことよ。だから・・・」


先程カウンターに置いた封筒を手に取り3枚抜き出したかと思えば、ポケットから小さい紙を取り出し何かを書いていく。


「はいよ」


封筒と一緒にメモが昴に渡される。


「・・・どなたのアドレスですか?」


「転校生ちゃんの情報も持ってる奴の。・・・お前さんら、"ノラ"って聞いた事あるか?」












ノラ。


昨年あたりから名前を聞くようになった情報屋だ。


セキュリティが万全だと言われていた大手会社の情報を難なく手にしたかと思えば、ある一般人の情報は口にしなかったり。依頼を受ける基準がまったく分からずただの気まぐれなんじゃないのかと言われ、そんな所が野良猫のようだとそう呼ばれるようになったんだとか。


3万円と引き換えに渡されたノラのアドレスに連絡し、今こうして指定された場所に向かってるわけだ。


昴やショウさんでさえ手に入れられなかった情報を持つ奴かー。


どんな奴なんだろ。


つーかガードが硬すぎるましろんってほんと何者?