私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

おいおい、どうなっちゃってんのよ。


ショウさんが依頼を断るなんて・・・、きちんと払えばどんな情報も提供するのがこの人の売りなんじゃなかったのかよ。


「やっぱりあいつには何かあるんだな」


朔夜は過去に一度もなかったこの状況にすら驚きもせず呟く。


「俺が断ったからって、流石にそれは軽率な判断じゃねーの?」


「あんたと同じような人が居た」


「・・・姫野 真琴か」


「それにあいつ自身が普通の人間と比べて・・・」


朔夜の言葉に続いて立ち去る彼女のことを思いだす。




『そういうこと。もう、いいわよね』


ましろんのあの目は酷く冷たかった。目だけじゃなくてあの空気も・・・、ただの女子高生にしては異質過ぎる。


ただ朔夜が言いたいのはそれだけでは無いようで、ショウさんと探り合うようにして数秒。


「なーんだあいつ、そこまでバレてんのね。むしろお前さんが冴え過ぎなだけ?」


その言葉に朔夜は返さない。


お前も食えない男だねーと笑うが俺らはこの状況に置いてけぼりを食らっている。


昴あたり解説してくんないかな?


「ただまぁ、無理なもんは無理なんだよ。藤城も調べてみて分かったろ?あの情報の無さをよ」


「そうですね・・・、調べる際に使った電子機器は全てウィルスに犯される始末ですしね」


ありゃ、そんなことも起きてたわけ?