私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

タイミング的にあいつらだろうな。


・・・これは使える。


この後の予定を頭に入れて正門へと向かうも、近付くにつれて自分の目を疑う。何故門の向こう側がカラフルなんだ?


来る時にはそんな目立つものなんて無かったが・・・。


「・・・嘘だろ」


こんなにも視力の悪さを悔やんだことはない。きちんと見えていれば早い段階で気づけただろうに。


悔やんだところで何も変わらない。嫌々ながらもそれらに目を向ける。いやもう本当に嫌。全力で拒否りたい。


それでもそいつらは嫌というほど存在感を出してくる。


「あ!あの人じゃないスか!?」


「おー、そうじゃねえの?」


「にしても昴さんもよく分からない事いいますよねー、この人の家までついて行ってなんでもいいから情報取ってこいって」


「おま!馬鹿か!表面上は護衛って体なんだから!」


「ええ!めっちゃ美人さん!また顔がいい人増えて嬉しいような悲しいような。・・・俺ってばミジンコなんかな」


「感情の落差激しすぎん?」


「どしたん話、きこか?」


赤青黄色ピンク緑・・・そして虹色の髪色をした不良共が嫌というほど視界に入る。奇抜だなー。


なんだお前らはお花畑か何かで?


校舎に視線を向け、ある部屋を探す。


確かこの辺り・・・、居た。


慌てる優里にこちらに向かって舌を出す瑠璃川、呑気に手を振る水嶋に楽しそうに嫌な笑みを浮かべる藤城。そしてそれを叱る谷垣に相変わらずの皇。


第2音楽室から覗くあいつらを見つける。


はっ、何?そんなに私について情報得たいわけ?