私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「それに関しても安心していいわ。あの場所以上に私は嘘が嫌いだもの。私は絶対に嘘をつかないと誓うわ」


「・・・あちら側の人数と容姿の特徴も分かった。他の情報も同レベルだと言うなら十分に価値はある。何より当事者の優里が望んでいるならそれを受け入れよう」


リーダーの言葉に身を乗り出していた瑠璃川は完全には納得できない様子ではあるものの元の席に着く。


「あたし綾波さんの傍に居ていいの・・・?」


「こんな私でよければ?」


「も、もちろんだよっ!えっと、ましろちゃんって呼んでもいいかな?」


「好きに呼んでもらっていいわ」


「っ!なら、あたしのことは優里って呼んで!へへ、へへへへ、ふふふふふふ」


私の言葉に一喜一憂する姿に可愛いなと思う。その緩みまくった笑顔の後ろには花が咲いて見えるのはわたしだけなんだろうか。笑い方の癖強いけど。


それに抱きしめてくるけど力が思いの外強い。


なんだこの馬鹿力。


「私が言うのもあれだけどいいわけ?この子の彼氏とか。こんなにあっさり認められるとは思わなかったんだけど」


それとなく優里を剥がして聞いてみる。


皇が彼氏だったりするのかな。それならトップの決定事項だし何も言えないか。


「あたし彼氏いないよ?」


「へ?」


「皆とは幼なじみなんだぁ。ずーっと一緒に居て、皆と離れたくなくて気付いたら姫になってたんだ」


申し訳無さそうに疑問に答えてくれる優里はどことなく寂しそうで、こんな純粋な子をあえて傷付けてしまった事を悔やんだ。