しかもなんだこの席順は。

春野、私、皇の向かいに左から瑠璃川、水嶋、藤城、谷垣。正体不明の方を野放しにできないのですよとか言ってなかったかインテリ眼鏡。


なんでトップの横に私を座らせるんだよ。


「このような形でお呼び立てしまい申し訳ありません」


「ひとつ聞いておきたい事があったんだ」


そんな事を気にしているのは私だけのようで藤城は胡散臭い笑みを浮かべ谷垣は困ったように眉を八の字に寄せる。


一度瞳を伏せて最後に一口紅茶を味わう。


「それって西のこと?」


かちゃり、食器が重なる音と共に零した言葉にここの空気が変わる。


おや。


「随分とあそこはお前達の反感を買っているようね」


それに誰も否定しない。


西ね・・・。


情報は武器だ。それぞれ漏洩しないよう気を使っているだろうが西に関しては3区と比べたら外部に周知されているような情報というものがゼロに近い。


異常な環境の中内部まで潜り込める者が少なかったりと理由は様々だ。


なので極力関わらないようにするしかないのが一般的だとは思うが物好きなのかこいつらは違うらしい。


ただの馬鹿なのかあるいは・・・。


「要するに私は西の仲間でスパイかなにかというのを疑われてるわけね」


「その可能性もあるんじゃないかって程度だけどね」


その点を正確にできない以上そう考えるのも無理は無い。