小さい頃から我々は一緒に過ごしてきた。


それこそ東の者の上に立つことになったあの日も。


様々な覚悟は決めて我々はここにいる。彼女だって我々の傍にいる事で普通の生徒とは異なる生活を送ることになることも承知の上で傍にいてくれる。


だがやはり彼女は女性で。できるだけ危険な目に合わせたくないと、闇を見せたくないと、守ってきたつもりだ。


幼い頃から時折そんな素振りを見せたが、我々の傍にいるからだろうかここ数年でより人を見る目に磨きが掛かった気がする。


様々な人間を知りこの世は綺麗なものばかりじゃないと十分に理解したからだろう。


それでも彼女の瞳からは輝きは失われない。


そんな彼女が友人になりたいと口にした。それだけで興味がそそられるというもの。


私がいくら調べても何も出てこないのもこの中で情報収集を担当してる身としては非常に燃えますしね。


「にしても情報は名前だけ。学校でもそうそう会えないときたらどうするよ?」






「お困り?」





あぁ、未知数と言えばこの方もでした。


優里さんの肩から覗き込むように現れたこの方、理事長はさっきぶりねと口にする。


音もなく背後に回るのやめてくれませんかね。うちの小動物2人組の心臓に悪いです。