私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

その言葉に皇と藤城は何かに気づいたようだがその他の奴らはまだピンと来ていないようだ。


さっきの話し方といい、こいつらこの学校のパンフレットとか見たことないんだろうか?


「この方は理事長ですよ。お見掛けするのは私もはじめてですがね」


「理事長!?」


「うっそ。全然気づかなかった」


「今って高校生が理事長になる時代なのか?」


「やだ!聞いたましろ?高校生ですって!やっぱりまだまだいけるのよ」


「うるさい三十路(・・・)。あんたのこと知ってる人間からしたらキツいのよ」


「「「「「「三十路!?」」」」」」


流石にこの情報には皇も藤城も驚いたようで綺麗にハモる。


仲良いなお前ら。


そう、ここ旭ヶ丘の制服を着ながら現れたこいつは三十路なのだ。年齢で口悪くなるのはこいつに対してのみなので悪しからず。


ただ私以外に指摘されないのは恐ろしいほどの童顔で私達と変わらない歳にしか見えないからだ。童顔というか老けないと言った方が正しいか。


顔はどちらかと言えば美人と言われる部類だ。


それにしても先程のこいつらの話し方・・・。
まるでヒメと一度も会ったことのないような・・・。


「えーん!レディの年齢を公表するなんて最低よ!けど、そういうとこもす・き」


語尾にハートが見える・・・。


「鬱陶しい。にしても何?ヒメ仕事してないの?」


「失礼な!たまに篠宮に代理を頼んでいる程度よ」