私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「アンタはどうなのよ」


「今はそう思わない。欲しいものが見つかったからな」


皇は視線を外すことなく答える。


ほしい、もの。


「・・・そう、それは良かったわね」


興醒めだ。同族のお前からなら何か得られるかと思ったが・・・。


何かを得られたところで、人間そう簡単に変わりはしないのだから無意味だったんだろうけど。


「・・・お前はまだ死にたいと思うのか」





死にたい。私はそう思っているんだろうか?


それすらも分からない。


「ねぇ、皇」


私は皇に背を向け月へ手を伸ばす。


昼間と比べ海風が冷たい。


・・・やっぱり掴めそうにないな。


顔を皇に向け笑顔を浮かべる。


こちらからは皇の顔はよく見えない。


お前から見た私はどう映ってるんだろうか。





「今はやるべき事があるの。そのために生きてる。





だけど、










それが終わったらどうすればいいんだろうね?」