私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

荷物を預けて海へ入る。と言っても優里の足がギリギリ底につく範囲でだけど。


私だって顔が濡れるのは好きじゃないからいい。


「ひゃーっ!冷たいね」


キャッキャと浮き輪で浮かぶ優里。うーむ、赤ちゃん過ぎて母性が目覚めそうだ。





日差しは相変わらずだがこの冷たい水に身体は冷やされていく。


底に行けばこの日差しからも隠してくれるんだろうな。


「夜はバーベキューして、花火もするんだって!楽しみだね」


「ふっ、ええそうね」


旭ヶ丘に入る前はこんなふうに過ごすことになるなんて思ってもみなかった。





「あいつらのとこに行きましょうか」


近くでボール遊びをしていた男共の所へと浮き輪を引っ張りながら進む。


「私休憩してくるから優里のこと頼んだわよ」


「ついて行かなくていいか?」


「見える位置にあるんだし平気よ」


軽く手を振りその場を後にする。


生まれつき日差しに弱い体質の為長時間ぶっ通しというのは流石に無理だったようだ。


空いているパラソルを見つけてその下へ移動する。


ついでに水も貰ってきたから一口飲んで冷えたペットボトルを首元に当てる。


「体調でも悪いんですか?」


人影が視界に入ったかと思えば頭上から聞き覚えのある声が聞こえる。