私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「この通りこいつは言葉数が足りねぇ。そこを踏まえて良くしてやってくれや」


海斗さんはそれだけ言い残してこの場から離れる。


背を向けると同時に綾波から思いっきり蹴りを貰ってたけど・・・。





「ほんとありがとうましろん。なんて言えば・・・」


「・・・ありがとうは聞き飽きたわ。ひとまず弟くんに顔を見せてあげなさいよ」


海斗さんの言う言葉数が足りないってのがぴったしだ。俺だって言葉にするのは得意じゃないけど、綾波は不器用が過ぎるな。


俺達の知らない所でこんなに動いてくれてたなんて。


最近眠そうにしてたのもそのせいかな。


(やっぱり、いい奴だよな)





照れくさそうにする綾波を連れて琉生の病室へと向かった。


「入るぞー」


どこか緊張した声で呼び掛けた奏に続いて病室に入る。


俺達もだけど最近会えてなかったって言ってたもんな。平気なフリしてこいつも色々考えてるんだ。


「お兄ちゃん!皆も・・・!」


久しぶりに会うけどちゃんと覚えていてくれた事が嬉しい。


「あ、」


俺達の後ろに居た綾波を見て驚く琉生。かと思えば嬉しそうな表情へ変わってく。