私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

そこに対しては興味もないためスルーさせて頂く。


「もういい?帰りたいんだけど」


「そういう訳にもいかないですね」


だがこいつらは帰らせるつもりは無いらしく。


「なぜ?」


「何の情報もなく現れた貴女について調べさせて頂きましたが、お名前しか分からず。このような事は普通なら有り得ないため現在貴方は警戒対象とでも言うのですかね。正体不明の方を野放しにできないのですよ」


ふむ。


まぁ言いたいことはわかる。情報が上がらない理由についても知っている。だから連絡が来たあと私のクラスに出向いたのだろう。


にしたって隠す素振りすら見せないのかよ。堂々とし過ぎだろ。


「さっきまで屋上に居たってのもねー。理由聞いてないし」


「・・・昼寝、してたのよ。少し寝ようとしたらこんな時間になってたの」


話は逸れたと思ったのに。きちんと警戒心はあるようで指摘されてしまう。


まるで私が馬鹿みたいじゃないか。だから深追いして欲しくなかったのに。


「昼寝って・・・、はは!ましろんって可愛いとこあんね」


腹を抱えて笑う銀髪、もとい水嶋の脛を蹴りあげる。



というかましろんってなんだ。変なあだ名つけんな。


「頭湧いてんじゃない?脳みそと目ん玉洗い流してきなさいよ」


「辛辣すぎっ!?」


うるさいぞ。ただまぁ変にチャラチャラしてるよりかはこっちの方がいい。


よろしく、なんて言ったってあの笑顔はそんなことこれっぽっちも思ってなかっただろうしな。