2人の見舞いも終わって綾波との待ち合わせ場所に向かえば既にそこに居た。


けど、誰かと話してる・・・。





「海斗さん?」


その人物の名前を呼べば、気付いたのか2人してこちらに顔を向ける。なんか距離近いのって気のせいか?


「なんでここに?」


「俺はここに居ちゃいけねーってか?」


揶揄うように答える海斗さん。結構長い付き合いだと思うけどいつだって食えない人だよな。


めちゃくちゃお世話になってるし琉生の担当医でもあるから文句言えねーけど。


「こいつ私の担当医なのよ。手当終わったら水嶋に用があるって言うから連れて来たの」


うるさいから帰らせる?なんて言う綾波には警戒心が感じられなくて。やっぱり親しい関係なのか、なんて思ってしまう。


「相変わらず愛想のない姪っ子だこと」


「なんでアンタなんかに愛想振りまかなきゃいけないのよ。それに正確には義理ね」


その会話に皆の頭に?が浮かぶ。


「え、何今の会話。義理の姪っ子って・・・」


「何、お前らまだ気付いて無かったの?嫁さんちゃんと仕事してる?」


「相変わらずみたいだったわよ。・・・こいつの苗字思い出して」


苗字?あれ、海斗さんの苗字ってなんだっけ。昔から海斗さん呼びだったからすぐに思い出せない・・・。


「ほれー」


海斗さんは胸ポケットにしまわれていた名札を取り出す。