「わん！」


ノエルの声で目が覚める。


「・・・おはようノエル」


寝てる時は起こさないのに珍しいな。働かない脳でそんなことを考えていればチャイムが鳴るのが聞こえる。


出なきゃ。


テーブルに置いておいた眼鏡を掛け玄関へと向かう。


門の開け方を知っている人なんざ限られているため、安心しきっていたんだと思う。相手が誰かなんてろくに考えず扉を開ける。


とは言え朝が苦手なの知ってるだろうに。





がちゃ、


「・・・誰」


「おはよー。ましろ、ん───」


あれ、水嶋？


何故ここに居るのだろうと首を傾げる。


「ま、ましろちゃん！？い、色気が！！」


優里もいる・・・。なんでだ。


「文！鼻血がっ！」


騒がしいこいつらのせいでクリアになっていく思考。


そういや病院行くって話をしたような・・・。


客観的に今の姿を見てみる。


とかしてもいない下ろしたままの髪にパジャマ姿・・・。





「ご、ごめん！支度できてない！」


支度を整えわざわざ迎えに来たこいつらと打って変わって先程までぐーすか寝ていた私。この状況には困惑するしかない。


「いや、俺達も早く来すぎた。気にしないで着替えてきてくれ」


皇のその言葉に甘えて、こいつらをリビングに通してから急いで自室へと向かう。