西のとある一室。


「はいお前の負けー」


赤髪の男は相手のキングを倒し勝利を収める。


「うっざ」


「おいおい今日は調子悪いんじゃねェーの?」


悪戯な笑みを浮かべながら赤と黒を混ぜた、言わば静脈血色の髪色をした男を指差す。


「・・・そうだね使えないコマだった」


その言葉で男は察する。


「色々大変ね副トップ(・・・・)さんは」


「全くだよ。レン、お前はトップとして(・・・・・・)の自覚が足りなすぎる」


「無理無理。俺そういうの向いて無いってー。喧嘩できりゃそれでいいし」


つまらなそうにポーンを弄る男にため息をつきながら窓の外を眺める。





「でも収穫はあったよ」


「んー?」


「アイツ、東に居るって」


色欲から報告を受けていた内容を告げる。この情報を得られただけでも及第点かな。


こっちの情報を相手に渡すわけはないし近いうちに解放はされるだろう。回収だけはしとくかな。


「へー、なら迎え行かなきゃなァ?」


お前ならそう言うと思ったよ。


ついでにこの事も報告しておくべきじゃない?


「そういや最近サツキ見ないね」


部屋の角でゲームをするそいつに視線を送る。これだけで言いたい事は分かるだろ?