「お邪魔しました」
玄関でこいつらをノエルと共に見送る。
届いた料理のお金は払わせてくれないし、片付けだってあっという間だった。なんならその分のゴミもまとめて出しておくと言う。丁度明日はゴミの日だし帰り際ならと有難くお願いすることにした。
ほんと、律儀な奴ら。
「お前もそう思うだろ?」
「ばう」
頭を撫でてやれば尻尾を振るノエルを家に入れながら玄関に鍵をかける。
ノエルだって警戒せずすぐに懐いていたしな。
出会ったばかりの頃は唸り声をあげ警戒されていたあの頃を思い出し苦笑した。
「明日から住人が増えるよ、ノエル」
風呂から上げればどっと疲れが襲ってきて重たい足を動かしながらなんとかソファまで移動する。
ドライヤーは・・・、いいや。
詳細は追追話すとして、水嶋が住み込みで働く事が決まったとメールを送る頃にはほとんど目が閉じていたと思う。
今日は色んな事があった。
水嶋の件が解決して、
優里が攫われて。
瀬戸沢についてもひとまず落ち着いた。
皆が警戒していた南だって一段落しただろう。
「くぁ、」
本当に、色んなことが、あった。
(皆がまた笑えるようになって、よかった)
襲う睡魔には抵抗せず、私はここで意識を手放した。


