私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「私はB組の藤城 昴(ふじしろ すばる)です。それでこちらがトップである皇 朔夜(すめらぎ さくや)です」


代わりに自己紹介をされた、白に近い金髪の美形は無言でこちらを見つめる。


どこまでも透き通るような黒い瞳だ。
最初の声はきっとこいつのだろう。


というか皇か。トップに君臨するために産まれたのかって疑いたくなる苗字だな。


「この2人のことは分かるか?」


「ええ」


「それなら何故あのような事になったか伺っても?」


「こいつが優里に対してっ「友達になりたいって言われたから断ったのよ」──!?」


「姫の貴女の友達なんて嫌だってね。面倒事に巻き込まれるのは目に見えてるもの。しょうがないでしょ?そしたらそこの・・・、女嫌いに襟元掴まれたって訳」


「文が女嫌いって分かるのか?」


「あからさまな態度取られちゃったらね」


あんた顔に出すぎ。上に立つものとしてそれはどうかと思うよ。


瑠璃川に薄っぺらい笑顔を向ければ舌打ちされてしまう。嫌われたもんだな。


「なるほどねー。にしても友達か・・・」


先程もそうだが春野の友達というワードにやけに突っかかってくるな。瑠璃川に関しては女嫌いなのに止めに入るほど。