私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「どういうことだ?」


「えっ?えっ!本当なの奏くん!?」


「説明しろ奏!」


「ま、ましろん!爆弾だけ置いて放置やめてよ!?朔夜からの圧凄いんだけど!?」


「え、何?なんでそんなに慌ててるのよ」


私そんな慌てるようなこと言ったか?


数分水嶋は揉みくちゃにされながら「話す!話すからぁ!」と抵抗していた。


よく分からないが、私もこいつに悩まされたからな。これぐらいされても文句は言えないだろう。





しばらくして私の家で話しをまとめる事に落ち着いた。


帰りの足だけが心配だったが、送迎でよく使う車が近くで待機しているらしい。


案内されるまま乗り込めば既に運転手がいた。どうやら名は村田さんと言うらしい。皇の家の人間だそうで、こいつらとは長い付き合いなのだという。


皇の家ということは裏の人間の訳だが、高圧的な印象もなく気さくな大人といった感じだ。








道案内をし20分ほど。


「ここ高級住宅街じゃん」


「大きい家ばっかりだぞ!」


騒ぎ出す子供組を無視し更に進む。家の前には10分もせず着いた。


「門は今開けるので、中に車を入れて貰って大丈夫です」


ポケットからキーケースを取り出し操作をする。住宅街の道路でこんな黒塗りの大きい車が止まってたら変な噂が流れかねないからな。