息ができるようになった。


言葉で表すと正にこれ。これまでの人生はなんだったの?と言いたいぐらいには何もかもが違って見える。


いつの間にかこちらから顔を逸らしていた貴方。今思えばこの時から私の存在なんてこれっぽっちも変わらなかったんですよね。


それでも良かったんです。





貴方の傍に居たくて、お近づきになるのに協力してくれる男を沢山作った。有難い事に副トップに見つけて貰えて。


なんとか、貴方の傍に居る事が許されて。


「は、はじめまして!私瀬戸沢 愛と申します」


「・・・、興味無い」


声を掛けて貰える事ができて。


貴方様はとても慕われて、私以外からも好かれていたから。


「お飲み物です!」


「ちょっと!僕の仕事なんだけど!?」


「・・・」


(目を合わせて貰えた・・・!)


「お前もたまには休息を取れ」


「でもぉ・・・」


私は他の方々は別に好きでもなかったし、向こうだって好意は向けていなかったと思う。全部が全部貴方様が居るからこそ成り立つ関係だった。


副トップだってそう。私の男達が使い勝手のいいコマになるから傍に居ることを許したんだと気付いてた。


それでも、存在全てが私を刺激する貴方様の傍に居られるなら苦でもなんでもなかったの。