それは自分でも驚いてる。


声も身体もまだ震える。気を抜けばあの場面がチラついてしょうがない。だけど、


息は吸える。


それだけは確かだ。


「それも楽しそうだけど今はいいや。時間もあんまり無さそうだしー?」


愛ちゃんは扉の外が気になるようで視線をそちらに向ける。私も追うようにして集中すると男の人達の声が沢山する。


その中にはあたしの名前を呼ぶ人も居て皆が来てくれたんだって気付けた。





「私達も行こっか?」


満面の笑みを浮かべて愛ちゃんは部屋を出る。部屋に残った男の人達に立つように言われたから震える足で何とか立って押されるようにあたしも部屋を出る。


「・・・皆!」


愛ちゃんの斜め後ろまで来れば下の階に奏くんを除いた皆が居るのが分かった。


急いで昴くんに目線で護衛の子達が後ろの部屋に居ることを伝える。ほんの僅かだけど頷いてくれたから隙を見て助けてくれるはず。








あたし達が居る場所からはほとんどが見渡せるから連れて来られたのはどこかの倉庫だということも理解できた。本当に、あの日と同じ状況なんだね・・・。


下の階は今にも衝突しそうな勢い。きっと朔夜くん達の向かいに居る人達がここのトップ達、なんだよね?


お互いのトップが揃っている状況なのに何故衝突が起きていないんだろう、疑問に思えば


「綾波 ましろは?居ないの?」


愛ちゃんの声が倉庫に響いた。