私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

・・・とうとう動いたって訳ね。姫が攫われてるし衝突は避けれない。


「乗り込むわけね?」


『ああ、奏も大変な状況だとは思うが・・・』


「大丈夫、行くよ」


『・・・待ってる』


その言葉を最後に電話は切れた。





大事な子攫われてるし行かないわけないでしょ?俺のはましろんのおかげで解決したし。


「ごめん、ましろん!俺行くよ」


メールで送られてきた場所を確認して今すぐ向かおうと立ち上がる。いやでも、ましろんを安全な場所に送り届けてからの方がいいよね?


どうするべきか悩んでいると腕を掴まれる。


「私も連れて行って」


・・・正直君がそういうと思ってなかった訳じゃない。だけど流石にダメだ。


「ご丁寧に安全な場所に居ろってメールまでくれちゃって、とんだ除け者よね?」


抜け目がないというかちゃんとましろんの事も気にかけてくれてるのね。・・・ましろんはそれが気に入らないらしいけど。


「いや、話筒抜けだろうから言うけどこれから行くのは危ないとこだし・・・」


「それは十分理解した上で言ってるのよ。それにあの女だって居るだろうし」


「あの女って・・・瀬戸沢 愛?」


俺の言葉に頷くましろん。


南との衝突となれば少なからず絡んで来るとは思うけど、ましろんもあの女と因縁があるわけ?いやまぁ、ましろんも西のこと嫌ってるようだし何かはあるんだろうな。


「・・・そういえば私達って雇用関係ができたわけよね?」


「えっ、うんまぁそうだね?」


はっとすると同時にましろんはニヒルに笑う。




「もう一度言うわ、私も連れて行って?」