私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

4区についてだが、それぞれ牽制しあっているため必要なものがある。それは不良共をまとめる上の存在だ。


一番上に君臨するトップや補佐する幹部達、そしてそれられに守られる対象であるお姫様だ。


地区によって幹部の人数や姫の有無は異なるが東はトップに姫、4人の幹部達が居たはずだ。目の前に居るこの子はそのお姫様らしい。


人数などは把握していたものの関わる気なんざこれっぽっちも無かったため詳細については知らなかった。だってそんな奴らと万が一お近づきにでもなったら面倒だろう?


尚のこと線を引かなくては。


「お姫様ならきっと大変よね?きっと好意的な人だけではないわよね。嫌がらせだったり我慢することも多いかもしれない。お友達って、そういうのを分散させるために?」


「違うよっ、本当にそんな事は考えてなんか・・・」


「あなたがそうだとしても周りがそうとも限らないでしょ?やめてよ、そういうことに巻き込むの」


「、」


「面倒事に巻き込まないで」


「てめえ!」


苛立つ声と共に襟元を掴まれる。我慢して聞いていたものの瑠璃川の堪忍袋の緒が切れてしまったらしい。


「何も知らねぇくせに分かったような口きくなよッ」


「っ知らないわよ、知りたくもない。だから関わんないでよ」


「文くん、やめて!お願い、」


「けどよ!」


離さないどころかより力を入れてくる瑠璃川の瞳にはもう嫌悪感しかない。