私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

話すだけでこんなに貰えるんだ。そう自分に言い聞かせてベンチへ腰掛ける。








「まずましろんはどこまで知ってるの?・・・俺が今、身体を売って金稼いでるのは知ってるんでしょ」


はは、自分で言ってて虚しいな。


軽蔑、されちゃうんだろうな。


この子は聡い子だから元々女の子と遊んでた事には気づいてたとは思うけど。


「はじめて会った時から女の気配はあったわね、個人の勝手だろうし気にも止めてなかった。けどアンタと中庭であった時その影が濃くなったように感じたから、今のアンタに大きく影響してるんだとは」


やっぱし。あの時この子には隠し通せそうにないなって思ったんだよね。


「それにお金が必要なのも、"お兄ちゃんだから"っていうのも知ってるわ」


はは、なーんだ。


「全部知ってるんじゃん」


隠したところで意味無いって事でしょ?


俺に気を使ってだとは思うけど、昴でさえここまで調べ上げないのに。ほんと、君何者?





でも、疲れちゃったし誰かにこうして零すのも悪くないのかも。

そう思うと幾分か気が楽になった。


逃げれないこの状況が有難いと思うなんておかしな話だけど。


「・・・いいよ、俺の事話すよ」





目を閉じて、蓋をして誰にも話さないでいた過去を思い出す。