「ごめんけど、明日からまた学校行けそうにないんだよね。夏休みもちょっと厳しいというか。だから俺は一人行動って事にさせて?何かあればすぐ連絡できる状態にはしておくからさ」


「・・・絶対だぞ」


「うん、約束するよ」


折れる素振りを見せない水嶋に渋々皇は頷く。


ああ、またこいつは一人で背負うつもりなんだな。


時間は、ない。


水嶋にこんな顔をさせない為にも動かなくては。


エゴだと罵ってくれても構わない。それでもお前の救いになれる可能性が少しでもあるのなら。







次の日、用事があるとこの日は学校が終わると同時にあいつらと別れた。


足を運んだ先は水嶋が面会に来たという中央病院。


来る途中に買った花束を持って私は小児科病棟を歩く。


程なくして病室の前で止まる。


水嶋と話す前に、会わないといけない人物がいる。その人物がここに入院しているのだ。


「ふー・・・」


緊張なんて私らしくないな。


ドアをノックすれば、はいと幼い声が返ってくる。


ドアを開ければ風が吹き、窓が開いていたためカーテンが舞う。


ベッドの上にいる人物へ笑みを浮かべ病室内へと足を踏み入れる。





「はじめまして───────、」