私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「西の!?確かにあの女はイカれてたけどさ」


「・・・詳しく教えて下さい」


「あの女は七つの大罪の色欲と呼ばれてるの。その名前に相応しく異性を誑かして自分の駒にするのが得意な女よ」


ただあの女を嫌悪していたため出せる情報として持ち合わせているのはこれぐらいだ。


南に居る理由などは分からない。


あの女について調べていなかったのが仇になるとは。


あとは、


「西の人間だけど、やはり南の後ろに西が居る線は薄いわね」


「どうしてだ」


西の人間で上に立つ者なら西が絡んでいると思うのは極自然だ。だがあの女となれば話は変わる。


「あの女はトップに忠誠を誓っていないのよ」


絶対的君主であるトップ。普通はその人間に従うだろう?だがあの女は異なる。


そう、西の幹部として収まっていたのはあくまで・・・。





「だから今回の件はあの女の独断だと考えていいわ」


これは断言できるだろう。


「ここの守りも見直すが必要があるな。お前達も常に2人以上で動くように」


・・・やばい、このままだと私にも護衛だったりこいつらの誰かを付けられかねん。


話題をどう交わそうか頭を捻っていれば下を向いていた水嶋が静かに言葉を落とす。