「そういえばさー、どんな子なの?」


「どんな子とは・・・?」


「だからさー、"また"アイツらで遊んであげようと思ったのにそれを邪魔した女はどんなのーって!」


「やけに綺麗な女だったと聞いています。黒髪の2つ結びの、赤眼の女だったと・・・。東の人間からは綾波と呼ばれていたようです」


名を口にしたタイミングでピクリと固まる女。


「綾波・・・?写真とか無いの?」


「は、はい。こちらに」


報告の際に提出された写真を差し出す。


「・・・へぇー?」


いつもニコニコと笑みを浮かべる女の表情が変わったのをこの少年は見逃さなかった。


(何を企んでいる・・・?)





金髪からピンクへとグラデーションがかった髪をくるくると指で絡め何かを考える女。ほどなくして真っ赤な唇が弧を描く。


「ねェ、悠斗(ゆうと)?お願いがあるんだけど」


「なんだよ、言ってみろ?」


「この子、私の所に連れてきて?」


「知り合いか?」


「ふふ、そんなとこー。ついでにさ、 東の奴ら壊しちゃおうよ」


誰もが美女と答える女は蕩けるような笑みで願いを口にする。まるで幼子が迷信を信じるかのような無垢な瞳で。


それに男は応える。







「お前の願いはなんだって叶えてやるさ、─────"愛"」