こんなタジタジになってるましろん初めてかも。


更には急に抱きしめられて固まっちゃって。距離感バグってるからなぁこの人。


「ありがとうね、優里の事守ってくれて」


「い、いえ」


・・・びっくりするよな。いきなりそんな優しくて大人びた声出されて。


いやまぁちゃんとした大人ですけど。幼馴染みのお母様ですけどっ。


昔から怒られる時とか真剣な話の時のギャップに頭が追いつかないんだよなぁ。


「でも貴女も女の子なんだから、自分の事大事にしなきゃダメよ」


「・・・はい」


真奈さんの言葉に深く頷く。


今日一番皆が思ってる事をよく言ってくれた。


「ましろちゃんはどうやって帰るの?うち、ここから近いし泊まってく?」


「お気遣いありがとうございます。ただ迎えを呼んでいるので」


「ママ、車で待ってて?あたしましろちゃん見送ってから行くね」


「わかったわ、じゃあねましろちゃん。皆もおやすみ」





駐車場へ向かう真奈さんを見送って、僅かに涼しさを感じる風を感じていれば申し訳無さそうな声が聞こえる。


「私に付き合う必要はないし、皆帰っていいわよ」


「今日ばかりはそうはいかない」


朔夜の譲る気のない言い方に渋々納得するましろん。