私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

んー、言うべき?


いや、ましろんは知っておく権利があるけど人様の家庭の事だし。





「皇組。聞いた事あるか?」





あちゃ、言っちゃった。


本人が決めたならいいんだけどさ。


恐る恐るましろんの方を見る。





「あー、極道?」





「えっ、それだけ!?」


ここらでは有名な指定暴力団だよ!?そこのトップだよ!?





「何よ、態度を改めろとでも言いたいの?」


呆気に取られる俺達を他所に、ましろんはそんな事どうでもいいというようにカレーを口に運ぶ。


・・・俺達に興味がないだけなのかは分からないけど。


どこかで期待していた。この話を聞いても変わらない態度で居てくれる事を。


何事にも揺さぶられない芯のある君だからこそ、仲良くなりたいと思えたんだから。


それは俺だけじゃない。分かりやすいゆうちゃんと文しか表情からは分かんないけど、周りの大人に振り回される立場であるこの3人もきっと。


あーあ、まさか俺達からこんな話するとはね。


家のこと話すのいい気しないはずなのに。





それは俺だって・・・。


いけねいけね、今ぐらい忘れたっていいだろうがよ。