私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「・・・それは素なのか?」


朔夜の疑問にましろんは心底分からないという表情を浮かべる。


こんなにも自分の事に無頓着になれる人間がいるの?


朔夜あたりもそうだけどこれは度を超えている。


『助けになんて来ないわよ。あいつらにとって私は何でもない存在なんだから』


『なんであんた達もここに・・・』


『助け・・・?』


ああ、あれも本心で理解が出来なかったんだ。





それを理解した瞬間、悔しさで拳を握りしめた。


ねぇ、ましろん。


君が攫われたって分かって、皆すぐにでも乗り込みたかったんだよ。


昴も龍二もゆうちゃんの護衛がなきゃ行ってた。その事を分かってたからゆうちゃんだって泣きながら待ってた。


朔夜と文はすごい剣幕で南の連中を倒してくし。あんなに感情を出した朔夜なんてそうそう見れないんだよ?


俺だって報告を受けた時血の気が引いて冷静じゃ居られなかった。


それぐらい、君は俺達とって価値のある存在になってたんだ。





きっと、俺達の出会いは最悪なんだろうね。





だけどこの数ヶ月で仲良くなれたと思ってたよ。


そう思ってたのは俺達だけなの・・・?


もちろん壁が完全に無くなった訳じゃない。だけど、心配ぐらいさせてよ。