私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

怖い思いをさせて、来るのが遅くなってしまって、ごめんって皆は言う。


違うよ、


「あたしこそ、皆助けに来てくれたのに傷つけてごめんなさい・・・」


あたしもその場で頭を下げる。


沈黙が流れる。


「・・・それじゃ、仲直り、って事でいいのかなこれ」


「「「「「・・・」」」」」


奏くんの気まずそうな言葉に耐えきれず皆で吹きだして笑った。





それからあたし達は今回の件について話し合った。


まず皆があたしの場所を分かった理由だけど、朔夜くんが最近何かに悩んでいるあたしが気掛かりでもしもの時のためにって昴くんにお願いして携帯にGPS機能を付けたらしい。


その事についても謝られたけど、むしろこれのおかげで助かったし責めるようなことはしなかった。


あたしは文くんのためにと言い訳して皆に相談出来なかったことを謝った。


皆納得はしたけど、この件からだったと思う。文くんの女嫌いに拍車がかかってあたしの友達という存在に敏感になりはじめたのは。


護衛を兼ねて傍に居ることが多くなったのも確かこの時から。


断ろうとしたけど、これからも一緒に居るためにはと説明されて頷くことしか出来なかった。