私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

荒い息遣いがこれまでにない怖さを感じさせる。


身体はさっきから冷えて震えが止まらないの。まるで自分の身体じゃないみたい。


「あんたも災難だよなぁ、愛に目を付けられるなんざ」


あたしを捕まえた男の人が零す。


そんな事を言いながら心配する素振りなんてこれっぽっちもない。むしろ楽しんでる。


やだ、やだっ、


「────やめて、!やめてよっ!」


必死にもがくけどあたしの両腕は片手だけで抑えられてしまって、足もバタバタさせるもののこの身体は退く気配を感じさせない。


ああ、これが男の人と女の人の差なんだ。


どうしようも無い現実に涙が零れる。





上に乗る男の人は遠慮なくあたしの服を破く。


連絡を貰ってすぐに家を出たから、冬なのに薄手の格好をしているあたしはあっという間に下着姿になってしまう。


あたしはみっともなく涙を零しながら叫び続けた。


どれだけ叫んでいたか記憶には無いけど鉄の味がするぐらいには必死だったの。





お願い、助けてっ。


誰か、来て────────!






この時思い浮かんだのは皆の顔。


ああ、明日も今まで通り傍にいられるのかな・・・?





「───!──────、──!」


「────、────里、!」


遠くで皆の声が聞こえた気がした。


ふふ、あぁ。


どこまでも皆のことが大好きなんだなぁ・・・。