私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

髪をぐっと掴まれる。


その目は憎しみに染まっていて、あたしはいつの間にか愛ちゃんをここまで追い詰めるような事をしたのだろうか。


「私はその目に映ることさえ許されないのに。あいつは・・・っ!あんたはねェ、あいつにそっくりなの。何もしてないのに愛されるあいつに!」


ああ、愛ちゃんはあたしを通して誰かを見てるんだ。


愛ちゃんはその人にこんなにも憎悪を抱いてるの?


『あの方以外の姫なんて居なくていいの』


今の姫以外受け入れられないって事だよね?それであたしやその姫の人に大事にされてる人が許せない・・・ってこと?


だけど、東に今姫って居た?


いくら思い出してもそんな人旭ヶ丘にいたかな。


あたしが知らないだけなの?





「だからさぁ、壊れてよ」





その言葉にはっとする。


「私はキモチよくて好きだけど、あんたみたいな純粋無垢な子にはこれが1番効くよね」


「愛ー、もういいかよ」


「あは、ごめんごめん。もう好きにしていいよ。あ、終わったら写真だけ送ってよ」


「お前も趣味悪いよな」


「そんな女に腰振ってるのはどこのどいつ?」


恥ずかしげもなく交わされる会話に嫌でもこの先起こるであろう未来が容易に想像できた。


逃げなきゃ、





拘束されていなかったからその場から動くことはできた。だけど、


「いやっ!離して!」


10を軽く超える男の人達から逃げる事なんてできなくて。あっさりと捕まってしまう。