私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「俺、愛と付き合うことになった」


文くんからそんな報告を受けたのは3学期に入ってしばらくしてからだった。


「・・・っ、」


文くんと愛ちゃんが・・・。


女の人が苦手な文くん。最初の頃はあたしと良くしてる子だからっていう認識でしかなかったみたい。


それでも関わっていくうちに楽しいと思えるようになって昨日愛ちゃんから告白されてOKした、と。





嬉しい報告のはずなのに素直に喜べないでいるあたしは性格が悪い。


皆大人びてて特に文くんとは話やすかったから焼きもち、なのかな・・・?





それから文くんは図書委員の時以外も愛ちゃんと過ごすことが増えた。と言ってもお昼休みだけだけど。


放課後だったり休日はほとんどあたし達と居るから、その時ぐらいは彼女を優先して欲しい皆そう思ってたと思う。


1回だけ、放課後や休日にデートしないのか聞いたことがある。


誘ったことはあるけど愛ちゃんのお家が遠いみたいで、春休み明けとかまとまったお休みの時にしようって話になったみたい。


そう口にする文くんは次のお休みが待ち遠しいみたい。





そんな文くんに何度か愛ちゃんの事を伝えようとした。


「文くん、愛ちゃんの事なんだけど・・・」


「うん?なんだ?」


その度にこの嬉しそうな笑顔を向けるから。


あたしは何も言えないでいた。





憶測でしかないのに人の事を悪く言うのはどうなの?


やっと文くんにあたし以外にも関われる女の子ができたのによりにもよってそんな子を?