私は‪✕‬‪✕‬を知らない I






とは言っても、


「はーい、2人組作ってねー」


今までろくに朔夜くん達以外と話した事のないあたしには難しい話で。


絶賛体育の時間で余ってます。


もう2年生だもんとっくに皆グループができてるよね。今年は皆とクラス離れちゃったの痛いなぁ。


今回も先生と一緒にやろう・・・。


重たい足取りでいつものように先生の元へ行く。





「春野さんも1人?」


背後から名前を呼ばれ肩が跳ねる。


先生以外に声を掛けられる事なんて普段ないからびっくりしちゃった。自分で言ってて恥ずかしいな。


「えっと・・・、」


振り向くとお下げに眼鏡をした女の子が立っていた。


確か・・・、


「もしかして瀬戸沢さんも?」


瀬戸沢 愛(せとさわ あい)さん。


元々同じクラスだったんだけど、入学してからはずっと入院してて今週からまた通えることになったってこの前説明があったな。


「そうなの。良かったら一緒に組まない?」


「う、うん。あたしで良ければ」


「ありがとう。同じクラスだし名前で呼んでよ」


「わ、わかった。あたしも苗字じゃなくて大丈夫だよ」


これが愛ちゃんとの出会いだった。