side,優里







「春野さんちょっといい?」


鞄に教科書を仕舞っていると担任の先生から声を掛けられる。


なんだろ、皆待ってるのにな・・・。


今日も早く行きたいのに。そんな事を考えながら職員室まで着いていく。


「あなた、皇くん達と仲がいいのよね?確か幼なじみだったかしら?」


自分の机に座る先生を見ながら何を言われるのかと待っているとそんな事を言われる。


「・・・はい」


「悪く言うつもりはないんだけどねぇ。あの子たち最近高校の生徒達とよく居るそうじゃない」


・・・何が言いたいんだろう。


「素行の悪い生徒があそこは多いし悪い影響を受けてないか心配なのよ。春野さんも悪い事は言わないから今のうちから距離を取って置いた方がいいわ。あなたは女の子なんだし、ね」







「失礼します」


あの後なんて返したか覚えてない。


職員室の扉を閉めて急ぎ足で下駄箱へ向かう。


悪い事は言わないなんて言いながら朔夜くん達のこと酷く言ってるじゃんか!


しかも女の子なんだしって何!?


あたしが女の子だと皆と一緒にいちゃダメなの!?


これまでずっと一緒に居たんだからこれからだって一緒に居るんじゃないの・・・?


「おーい!ゆうちゃーん!!」


下駄箱で外靴に履き替えながら固まってると校門の方から名前を呼ばれてはっとする。


皆を待たせてるんだった!



急いで皆のもとへ走る。といっても走るの苦手だから全然早くないんだけど。