暖かな空気に包まれて寝返りを打つ。


・・・まだ寝てたい。


「ふぁ〜、────だァッ!?」


体制を変えれば身体から異様な音が。
そのまま寝ていられるはずもなく嫌々ながら体を起こす。


まだ完全には開かない瞼を擦りながら辺りを見渡す。


傾いた日がよく見える空に、コンクリート製の床。


通りで痛いわけだ・・・。





教室を後にしたものの、理事長室に辿り着けず迷子になってしまっていた私は眠気もあり本格的に帰ってしまおうかと考えていた。


だが今日帰ってしまえば後々面倒・・・さあどうするか。そんな中目の前に現れたのは屋上の扉。


めちゃくちゃいい天気だし仮眠取ってからまた探すか。


眠気に勝てなかった私は都合のいい理由を並べて横になった訳だ。


流石に日が傾くまで寝るとは思わなかったがな。


肩を回せばゴキッ、ゴキッ、と到底女子高生の体から出たとは思えない音が鳴る。


重い腰を上げ、スマホしか入っていない鞄を片手に屋上を後にした。


屋上を出て階段を降りたのはいいが如何せん人の気配がしない。理事長室にはまだたどり着かないようだ。


あるのは名札が外された教室たち。


「ん?」


一部屋だけ外されていない教室がある。


視力が悪いため真下まで近寄る。