私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「たく!今日はどこまでもついてねぇな!」


「椎名さんにどう報告するよ!?」


次々に愚痴を零す男達。こいつらが入ってきた事で扉の外の鍵は掛かっていない状況だ。


こいつらさえどうにか出来れば外には出れる。


丁度手元にガラスの破片が落ちてたしこれを使って手の拘束を外せれば・・・。


気づかれないようにロープにガラスの破片を当てていく。


「ま、悪いことだけじゃねえ」


「!」


いきなり首元を捕まれそのまま床に押し倒される形になってしまう。そのまま馬乗りなる男。


さっきの撤回。この構図の方が心底不快極まりない。


「ずっと思ってたがこいつは上玉だ。俺達だけで楽しませてもらおうぜ」


ベルトに手をかけ顔を近づける男に唾を飛ばす。


「黙ってヤられるとでも思ってるの?」


「このアマ!!!」


部屋に男の声が響くと同時に頬に痛みが走る。こいつっ、遠慮なく殴りやがって。


まだ切れないのかよっ。


男は頭に血が上った状態で胸元のワイシャツを掴み、勢いのまま破く。


「・・・は?なんだよ、こ」


露になったであろう下着姿に零れる言葉。


だがその続きを聞くことはなかった。







なぜならとてつもない音と共に扉が破壊されたからだ。