私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

あいつらがすんなり優里と出掛けるのを認めた理由。それは護衛付きだったからだ。


あまりにも視線がうっと惜しくてその事には早い段階で気付いていた。


だが実際に東のメンバーを知っている訳では無かったため旭ヶ丘の制服を着ていようと安易にそちらへは逃げれなかった。


だから護衛の中に角谷が居たためあいつを探していたのだが、あいつと一緒に護衛していたこいつも安心出来るだろう。


「鈴木くんっ!?」


大丈夫、優里も認識ある人物だ。


それと当時に通ってきた細道から多くの足音が響いてくる。


「優里連れて逃げろ!」


強引に優里を前に突き出すと同時に、後ろから引っ張られるようにして口元に布が当てられる。


その瞬間から意識が朦朧とし始める。


「ぐぁっ!」


後ろに肘を繰り出し抵抗するものの、動きが鈍った瞬間に両腕を拘束されより強い力で布を押し当てられる。


ま、ずい、


「ましろちゃん!?」


次第に力が入らなくなり両膝から崩れていく。





「──しろ、ちゃん!──、───ん!」





遠くで優里の声が聞こえたが、私の抵抗虚しく意識は落ちて行った。