私は‪✕‬‪✕‬を知らない I





あそことあそこ。・・・あそこにも。


はぁ、道理で優里と二人で出掛けるのをすんなり認めた訳だ。


気にしたら負けなんだろうけど視線がうっと惜しいんだよなぁ。


「ましろちゃん?」


「ごめん、なんでもない」


気にしてて楽しめなかったら勿体ないよな。


不思議そうに首を傾げる優里に可愛いなと思いながら返事をした。


そこから5分程歩いて着いたのはこれまたお洒落なカフェ。時間帯もあってか混んでるがギリギリ座れそうだ。


通された席に着いて、渡されたメニューを見る。


甘いものが充実してるな・・・。


「ましろちゃん決まった?」


「ええ、そっちは?」


「このジュースと、グラタンとハンバーグとパスタにする!」


相変わらずの食欲だなおい。


はしゃぎながら注文ベルを押す優里。良かった、朝はあんな顔をさせてしまったからな。


あんなこと、気にすることもなくのんびりと過ごして貰いたい。


「お待たせしましたー」


数秒して注文を聞きに来たのは男性の若い店員。自分の分はさっさと注文し終えたので優里の番なんだが・・・。


先程からピタリと動かない。


店員も困惑しているようで先程の記憶を辿って優里の分まで注文をする。


店員が離れていくのを確認して再度優里の方へ顔を向ければ青白い顔へと変わっていた。


球技大会の時も思ったがやはり・・・。