私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「これ見た時ビビっと来たんだよね」


「・・・当たってるかも。名前雪が由来らしいし」


え?


「産まれた時雪が降ってたんだって。正確に言えばダイヤモンドダストって言って雪とは異なるんだけど。それでこの"まっしろな雪の"ように輝いた人生をって」


ましろちゃんからこういった話を聞くのが初めてだ。少しは気を許してもらえる関係には慣れたのかな。


「素敵な由来だね。凄くましろちゃんを想ってつけたんだなって思う」


「・・・そうね」


浮かれてたあたしは気付かなかった。


僅かに一瞬、寂しそうな目で遠くを見ていたことを。










お会計を済ませてお店を出る。


「ましろちゃん?」


立ち止まったましろちゃんに振り返る。


辺りを見渡してるけどどうしたんだろう。


「ごめん、なんでもない」


何か気になるお店でもあったのかな。


大して気にすることもなく目的地のカフェへと向かった。