良かったぁ。大丈夫みたい。


「綾波悪いな。転入生ってことでこいつら浮かれてんだ。あ、お前の席はあそこな」


「わかりました」


安堵したもののまたそのやり取りに反応してしまう。


えっ!?


山口先生の視線の先にあるのは────あたしの左横の席。


わわ、わっ!こんなラッキーな事ないよ!
ひゃっ〜!綾波さんとお隣なんだ!


どうしよ、最初が肝心って言うよね?


『初めまして!あたし春野 優里 (はるの ゆうり)!綾波さんよろしくね!』こんな感じで明るく?


それとも、


『初めまして、春野 優里です。分からないことがあったらなんでも聞いてね(キリッ)』頼れるクラスメイトって感じがいいかな?


うー、早くしないと綾波さん来ちゃうよっ!






そんな考えなんて誰一人分かるはずもなく、







「先生、この後理事長室に寄るよう言われているので今日はこれで」


「お、そうだったな!んじゃまたなー」








綾波さんはあっさりと教室から出て行ってしまった。







あ、


あれ?


(う、うそ───────!?)


あたしは少し泣きそうになりながら心の中で叫ぶことしかできなかった。