いつもより遅く家を出たせいで生徒が普段よりも多い廊下を歩いく。
昨日あの後どう帰ったのか曖昧だ。気づいたら寝れずに朝を迎えていた。
ひとまず皇とは必要以上に関わらないようにしないと。働かない脳ではその結論を出すだけで精一杯だった。
ガラッと扉を開ければ多くの視線がこちらに向けられる。気にする訳でもなく机に向かえば中に紙くずを詰められている状態だった。
くすくすと笑う声もどこからか聞こえる。
いつもの状態と対して変わらないじゃないか。
だけど、今の状態の私はそれが気になって仕方ないらしい。
遠慮なんて微塵もなく机の中に腕を入れる。紙くずを掴むと同時にぷち、と肉が切れた感触がするもお構いなく掴んだものをゴミ箱へ放り投げた。
「満足?」
今頃ゴミ箱は紙くずと上手いこと隠されていた多数のカッターの刃が赤く染まった状態で入っている事だろう。
証拠に手のひらから血が止まらない。流石に切りすぎたか・・・。
「はぁ・・・」
何してんだろ。らしくない。

