「予報だと夜までには止むみたいだけど、帰る時まで止んでなかったら傘使っていいからね。まあ、泊まるっていう手もあるけど」
「泊まっ……?! いやいや、さすがにそこまでは悪いから!」
家に寄るだけでも駅から緊張して歩いてきたのに、泊まるなどハードルが高すぎる。
——明日は土曜だし予定もないけど……って、何泊まる方向で考えようとしてんだ、俺ッ!
焦りすぎて動揺している頭を落ち着けようと、グラスの飲み物を一気に飲み干した。
「げほっげほっ!」
「大丈夫?」
祐希の大きな葛藤など知る由もない智史に心配され「だ、だいじょうぶ……」と小さな声で頷いた。それにしても一度一緒に出掛けたとはいえ、家に上がらせた挙句に泊めてもいいとは警戒心がなさすきでは。それだけ信頼されていると考えれば悪い気はしないが……などと祐希が考えていると、ピロンと何かの音がした。彼が後ろポケットから携帯を取り出す。
「ごめん。ちょっとバイトの連絡が入ったから電話してくるね。カウンターの上に置いてあるお菓子食べてていいから」
「あ、うん。ありがとう」
廊下に向かう背中を見送ると、左側のドアがパタンと閉まった。暇だし彼に言われた通り、お菓子でも見てみようとカウンターの端に向かう。丸い木のカゴの中には包装されたチョコがたくさん入っている。
——意外と甘いもの好きなのか?
そういえばショッピングモールでバニラあずきアイスを注文した時も美味しそうに食べていた。対する祐希は甘いものがあまり得意ではない。あの時も智史の隣でメロンのシャーベットを注文した。食べるには食べるが、どちらといえば塩分のあるナッツ類や煎餅の方が好きだ。
——煎餅とか言ったら子ども扱いの次はおじいちゃん扱いされかねないから、好みは黙っとこう……
「泊まっ……?! いやいや、さすがにそこまでは悪いから!」
家に寄るだけでも駅から緊張して歩いてきたのに、泊まるなどハードルが高すぎる。
——明日は土曜だし予定もないけど……って、何泊まる方向で考えようとしてんだ、俺ッ!
焦りすぎて動揺している頭を落ち着けようと、グラスの飲み物を一気に飲み干した。
「げほっげほっ!」
「大丈夫?」
祐希の大きな葛藤など知る由もない智史に心配され「だ、だいじょうぶ……」と小さな声で頷いた。それにしても一度一緒に出掛けたとはいえ、家に上がらせた挙句に泊めてもいいとは警戒心がなさすきでは。それだけ信頼されていると考えれば悪い気はしないが……などと祐希が考えていると、ピロンと何かの音がした。彼が後ろポケットから携帯を取り出す。
「ごめん。ちょっとバイトの連絡が入ったから電話してくるね。カウンターの上に置いてあるお菓子食べてていいから」
「あ、うん。ありがとう」
廊下に向かう背中を見送ると、左側のドアがパタンと閉まった。暇だし彼に言われた通り、お菓子でも見てみようとカウンターの端に向かう。丸い木のカゴの中には包装されたチョコがたくさん入っている。
——意外と甘いもの好きなのか?
そういえばショッピングモールでバニラあずきアイスを注文した時も美味しそうに食べていた。対する祐希は甘いものがあまり得意ではない。あの時も智史の隣でメロンのシャーベットを注文した。食べるには食べるが、どちらといえば塩分のあるナッツ類や煎餅の方が好きだ。
——煎餅とか言ったら子ども扱いの次はおじいちゃん扱いされかねないから、好みは黙っとこう……
