「あんまり片付いてないけど、どうぞ」
「……お邪魔します」
招かれるまま玄関先で靴を脱いで、ブラックのスリッパに履き替える。片付いてないとは言うが、見える範囲に無駄なものは一つもない。靴箱の上には家の鍵が置いてあるだけ。廊下の先にある部屋にはソファと観葉植物が見えている。あまりキョロキョロするのも失礼だが、好奇心から視線だけを動かしてリビングまでついて行く。
「適当に座って。今、お茶いれるね」
「あ、いや、お構いなく」
「祐希は牛乳の方が良かったかな」
この間、ステーキを食べている時に祐希が注文した飲み物を覚えていたようだ。キッチンにいる智史が飲み物をいれている間、ソファに座った祐希は部屋をぐるりと見渡す。リビングにテレビはなく、コバルトブルーのカーテンに覆われた窓の外からは雨音が聞こえている。ガラスの丸テーブルが部屋の中央にあり、テーブルの上にはメモ帳。キッチンの対面カウンター近くには椅子が二脚並んでいる。
「お待たせ。牛乳が今ないから、ジンジャーエールいれたけど飲める?」
「うん、ありがとう。外から見ると広いマンションだと思ってたけど、意外と狭い?」
シュワシュワと音の鳴る炭酸飲料が入ったグラスを受け取り、立っている彼を見上げた。智史は同じグラスを持っている。
「そうだね。リビングと寝室がある部屋だけだから、それほど広くないかな。西側は間取りの広い部屋があるから、ファミリーも多いよ」
「そうなんだ。マンションって遊びに来たことないから知らなかった」
祐希の家は一戸建ての住宅で、友達の家も必然的に近所になる。学生になってからは外で遊ぶことが多く、誰かの家に行く機会がなかったため、マンションは一律同じ広さだと思っていた。グラスに入った飲み物に口をつけると、生姜特有の香りと味が喉を通り抜ける。智史は窓際まで歩いていき、変わらず降り続く雨を見て振り返った。
「……お邪魔します」
招かれるまま玄関先で靴を脱いで、ブラックのスリッパに履き替える。片付いてないとは言うが、見える範囲に無駄なものは一つもない。靴箱の上には家の鍵が置いてあるだけ。廊下の先にある部屋にはソファと観葉植物が見えている。あまりキョロキョロするのも失礼だが、好奇心から視線だけを動かしてリビングまでついて行く。
「適当に座って。今、お茶いれるね」
「あ、いや、お構いなく」
「祐希は牛乳の方が良かったかな」
この間、ステーキを食べている時に祐希が注文した飲み物を覚えていたようだ。キッチンにいる智史が飲み物をいれている間、ソファに座った祐希は部屋をぐるりと見渡す。リビングにテレビはなく、コバルトブルーのカーテンに覆われた窓の外からは雨音が聞こえている。ガラスの丸テーブルが部屋の中央にあり、テーブルの上にはメモ帳。キッチンの対面カウンター近くには椅子が二脚並んでいる。
「お待たせ。牛乳が今ないから、ジンジャーエールいれたけど飲める?」
「うん、ありがとう。外から見ると広いマンションだと思ってたけど、意外と狭い?」
シュワシュワと音の鳴る炭酸飲料が入ったグラスを受け取り、立っている彼を見上げた。智史は同じグラスを持っている。
「そうだね。リビングと寝室がある部屋だけだから、それほど広くないかな。西側は間取りの広い部屋があるから、ファミリーも多いよ」
「そうなんだ。マンションって遊びに来たことないから知らなかった」
祐希の家は一戸建ての住宅で、友達の家も必然的に近所になる。学生になってからは外で遊ぶことが多く、誰かの家に行く機会がなかったため、マンションは一律同じ広さだと思っていた。グラスに入った飲み物に口をつけると、生姜特有の香りと味が喉を通り抜ける。智史は窓際まで歩いていき、変わらず降り続く雨を見て振り返った。
