ショーの始まりと共に軽快な音楽が流れ出す。泳ぎ出したイルカ達は水槽をぐるりと周回し、音に合わせてバシャバシャとジャンプしていく。そのたびに水が飛んできて、後ろに置いた鞄以外は全身びしょ濡れだ。
「すごいね。こんなに間近でジャンプするところが見られると思わなかったよ」
髪や顔が濡れているのに、智史は楽しそうに笑ってショーに夢中になっている。今まで大人っぽくて落ち着いているイメージだったが、こうして童心に返った姿を見ると何だか可愛い。そう思って祐希が小さく笑うと、智史は首を傾げた。
「何?」
「いや、イルカ好きなんだなって思って」
「そうだね。でも楽しいのはそれだけじゃないよ」
「え?」
「――――から」
彼が何か話している途中でイルカがジャンプをして、大きな音と共に水の雨が降ってきた。すでに何度目かの水飛沫にも慣れてきて、黒い前髪から落ちる水滴もそのままに智史を見る。
「ごめん。何て言ったか聞こえなかった」
祐希の言葉に彼は何度か瞬いた後、口元を手で覆ってイルカの方へ向き直った。
「いや、大したことじゃないから大丈夫。それよりショーがそろそろ終わるみたいだ」
いつの間にか輪っかくぐりを終えたイルカ達は中央に集まっていた。まるで「ありがとう」と言うようにキュイイと鳴いた声がショーの終わりを告げる。結局、智史が何を言ったのか分からなかった。
「すごいね。こんなに間近でジャンプするところが見られると思わなかったよ」
髪や顔が濡れているのに、智史は楽しそうに笑ってショーに夢中になっている。今まで大人っぽくて落ち着いているイメージだったが、こうして童心に返った姿を見ると何だか可愛い。そう思って祐希が小さく笑うと、智史は首を傾げた。
「何?」
「いや、イルカ好きなんだなって思って」
「そうだね。でも楽しいのはそれだけじゃないよ」
「え?」
「――――から」
彼が何か話している途中でイルカがジャンプをして、大きな音と共に水の雨が降ってきた。すでに何度目かの水飛沫にも慣れてきて、黒い前髪から落ちる水滴もそのままに智史を見る。
「ごめん。何て言ったか聞こえなかった」
祐希の言葉に彼は何度か瞬いた後、口元を手で覆ってイルカの方へ向き直った。
「いや、大したことじゃないから大丈夫。それよりショーがそろそろ終わるみたいだ」
いつの間にか輪っかくぐりを終えたイルカ達は中央に集まっていた。まるで「ありがとう」と言うようにキュイイと鳴いた声がショーの終わりを告げる。結局、智史が何を言ったのか分からなかった。
