帰り道、何も話さなかった。
もともと私から話題を振ることの方が多いし、
匡は緊張している様子だった。
いつものように私の家の近くまで送ってくれる匡。
いつもより手前の空き地で、
匡が立ち止まったから私も止まった。
「都…」
匡の緊張が伝わってくる。
勇気、出してるんだな。
そんなことを客観的に考えている自分にぞっとする。
「なに?」
「もう…花火大会で気づいたと思うけど、」
恋愛には終わりがある。
友達なら、ない。
「俺、都のことが好きだよ。」
匡は私の目をまっすぐ見て言う。
いつもそうだ。
引き込まれるような綺麗な瞳。
私も…本当は…
揺らぎそうになる決意にはっとなる。
終わりたくない。
今のままの方がましだ。
このまま…ずっとずっと
一緒にいたい…!!
「ごめん…。私は今のままがいい…。」
「そっか」
小さくそう呟くと、匡はきびすを返した。
「き…」
呼び止める間もなく、匡は自分の家の方に歩いていってしまった。
遠くなる姿を複雑な気持ちでずっと見ていた。
「呼び止めて、なんて声かけるつもりだよ…」
私のバカ。
拳の中、爪を立て、唇を強く噛んだ。
涙は出なかった。



