コミュ障な元ヤンくんに今日も溺愛されてます。




「匡じゃん!久しぶり。」
「また会った~キャハハ!」


誰…?

匡の顔を覗くと、リラックスした表情。

ケンカ売られてる感じには見えないから、友達?


「彼女連れかよ。やるじゃん。」

「ちげぇよ。友達。」

「てか、この前のお芋ちゃんじゃん!」

ひとりの女の子が私を指差して言った。

「あ…この前の!」

顔を見て思い出した。

ファミレスで合コンもどきをしたとき、
外で会った女の子達だ。

「何?ユカ知り合い?
かわいいじゃん。紹介してよ。」

男の子のうち一人が私の顔を見て言った。

何を言うやら…
確実に浴衣と化粧マジックですわ。


「んじゃ、匡はあたしらと回ろー!」

女の子は匡の腕を引っ張った。

「えっ、ちょっと待っ…」

私が止める間もなく、匡は女の子の手を振り払った。


「いっつもいっつも邪魔しやがって…」


女の子は一瞬ポカーンとし、
数秒後「ごめん」と小さく謝った。


「珍しくなにキレてんの?」


匡と親しげな男子二名がケラケラ笑いながら
匡の肩をバシバシ叩いた。

怒ってる匡にこんな風にするなんて…
やっぱり友達だろうか。


「太一。ユカたち連れて先行ってろ。」

「はいはい。またな、匡。
君も!」

太一と呼ばれたその人は私に手を振ると、
女子二人を連れて離れていった。

「悪かったな、邪魔して。」

残った男の子が匡の肩にポンッと手を置く。

「あの、匡の中学の友達…?」

私が尋ねると、その人は笑顔を作って答えた。

「そうだよ。中学の友達。
さっきのが太一で、俺は祐介。」

「近衛 都です。よろしく!」


私が笑顔を向けても、その人の貼り付いたような笑顔は崩れないまま。

人見知り…?

匡もそうだけど、なんか祐介くんは裏で色々考えてそうな…


「あんま近づくな、都。
こいつ死ぬほど腹黒だぞ。」

「えっ!」

「ひどいなぁ、匡。
親友に向かって何てこと言うんだ。」

「親友とか思ってもないくせに言うな。」


あれ?仲良いんだよね…?

私が二人の会話を聞いていると、
祐介くんがこちらに視線を移して言った。


「邪魔してごめんね。
匡とのデート、楽しんで。」

「で、デートじゃないよ!あと二人いて…」

祐介くんは余裕のある笑顔を崩さないまま。

「じゃあな。
太一ほっときすぎるとすぐケンカするから。」

「ああ、また。」


祐介くんは最後まで笑顔を崩さずその場を去っていった。